債務整理中・整理後の借り入れは可能?詳しく解説
新型コロナウイルスによる影響が長期化する中、職を失ったり収入が激減するなどして、生活費に困窮する人が増えています。生活を立て直そうと債務整理をしたはずが、予測困難な社会情勢の波に飲み込まれてしまったという人も少なくありません。ここでは、債務整理中に借り入れを希望する場合のアレコレを、わかりやすく解説します。
この記事を読むための時間:3分
債務整理中に借り入れは可能?
債務整理中に新たな借り入れをすることは、法的には可能です。しかし、「任意整理」「個人再生(民事再生)」「自己破産」のいずれかの手続きをしたことで、信用情報機関(ブラックリスト)に登録されているため、お金を貸してくれる金融機関や大手の貸金業者はないと考えて良いでしょう。
ブラックリストに載っていても、借り入れができる業者は皆無ではありませんが、甘い言葉につられて借金をしたところ、実はヤミ金だったということも。法外な金利を請求されたり、職場や家まで取り立てに来られたりして怖い思いをすることも珍しくありません。
債務整理中の借り入れにはリスクが伴う
金融機関や貸金業者は、債務整理によって利息はもちろん、貸した元金が戻ってこないなどの損害を被っています。そんな状況で他の業者から借り入れをしたら、債務整理に応じてもらえなくなったり、自己破産の免責が許可されないといった大きなリスクが。また、債務整理を依頼していた司法書士や弁護士には、契約を打ち切られる可能性もあります。
債務整理後の生活資金に困窮したら検討すること
債務整理が取り消しになるようなリスクのある選択はせず、自治体などの公的支援の利用を検討してはいかがでしょうか?
生活福祉資金貸付制度
生活資金の困窮が一時的なものであれば、「生活福祉資金貸付制度」を利用すると良いでしょう。連帯保証人を立てる必要がありますが、連帯保証人なしでの借り入れも可能です。利息は、連帯保証人を立てれば無利子、立てなければ年利1.5%となります。
借り入れの目的が「福祉費」「教育支援資金」「不動産担保型生活資金であれば、最寄りの市区町村社会福祉協議会での申込みとなりますが、生活再建までの費用や滞納している公共料金等の建て替えなどの場合は、社会福祉協議会から紹介される「自立相談支援機関」の利用が条件です。
住居確保給付金
失業や廃業、または同程度に収入が減ってしまった場合、一定の要件を満たしていれば、家賃と同額の給付金が3カ月間(延長手続きにより最大9カ月間)支給されます。市町村ごとに上限が異なりますが、大家さんや管理会社などへ直接支払いがなされます。毎月の支出の中で大きな割合を占める家賃の支払いがなくなるというだけで、ずいぶん暮らしがラクになるのではないでしょうか。
国民健康保険 一部負担金減免制度
国民健康保険に加入している場合、災害や失業などによって収入が激減した世帯主が、病気や怪我などによる治療費や入院費などの支払いが困難であると認められれば、一部負担金の減免・免除・徴収猶予を受けられます。医療費の支払いで困窮している場合は、管轄の役所などに相談してはいかがでしょうか。
まとめ
債務整理中の新たな借り入れは不可能ではないものの、道義的な問題があるのは否めません。リスクを承知で再び借金をすると、取り返しのつかないことになる可能性も。債務整理に応じてもらえなくなったり、自己破産の免責許可が下りない場合があるのです。
また、ヤミ金に手を出してしまうと必ず後悔する日がきます。危ない橋を渡るよりも、公的支援が受けられないか確認しましょう。公的支援が難しい場合は、一人で悩まずに、債務整理の手続きを依頼した司法書士や弁護士に相談すると良いでしょう。問題解決に向けて、何らかの良いアドバイスがもらえるはずです。
次の記事へ
遺言書の種類と特徴を比較!注意すべきポイントも解説 »