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相続登記とは何か?トラブルを回避するポイントを解説!

不動産の相続でトラブルが発生

 

みなさんは相続登記をご存知でしょうか?相続する財産に不動産が含まれているとき、相続登記しないと思わぬトラブルに発展する場合があります。そのような事態を回避するために、相続登記について解説します。

この記事を読むための時間:3分

相続登記とは何か?

相続登記とは、不動産の所有者が亡くなった場合に、登記名義をその不動産を相続する人に変更する手続きです。登記する名義を相続する人に変更することで、不動産の所有者が法律的に保護されます。

 

相続登記しないと不動産の相続が法律的に確定しないため、様々な不都合が発生することがあります。

相続登記の期限

相続登記は現在のところ期限は定められていません。もし、相続登記しなくても罰則はないため、相続登記が行われていないケースは多々あります。しかし、相続登記されないことで放置される空き家が増え、倒壊や不審火などの社会問題となっています。

相続登記の義務化

国は放置される空き家問題などから不動産登記法を改正し、2024年4月28日までには相続登記の義務化がスタートします。相続登記の義務化が始まると、不動産を相続する人は、「自分が不動産を相続することを知ってから3年以内」に相続登記しなければなりません。

 

もし期限内に相続登記を完了させないと、「10万円以下の過料」が課されます。過料とは刑法による罰金ではないため前科はつきませんが、金銭を支払うことには変わりありません。

相続登記しないと起きるトラブルとは!

不動産は金銭のように簡単に分割できず、売却にも手間や時間が必要です。そのため、相続登記をしておかないと、様々なトラブルが発生しやすくなります。相続登記をしないと実際にどのようなトラブルが起きるかについて解説します。

不動産の所有者が確定しない

相続登記が完了しないと、法律的には相続する不動産の所有者が確定しません。相続関係者の間で相続が合意されていたとしても、その合意は関係者でない第三者に証明できません。

 

不動産登記とは、不動産の所有者を公的な名簿に記載して一般公開することで、権利関係を明らかにして取引の安全を図る役割があります。登記されていないということは権利関係が不明確な不動産と判断され、相続した人が明確な所有者とならないことで法律的な保護が受けられなくなります。

不動産を売却できない

不動産を相続登記していないと、相続した人が不動産を売却できません。法律的にはその不動産は亡くなった人が所有者であって、所有者の合意なく売買することは認められていません。そのため相続登記していないと、急に好条件で買いたいという人が現れてもすぐには売却できません。

 

不動産の売却価格は購入したい人との交渉で決まるため、売却手続きに時間がかかると大きなチャンスを逃す可能性があります。売却を検討する場合は、速やかに相続登記しておくことが大切です。

相続の話し合いが複雑になる

相続登記しないで相続した人が亡くなると、相続の話し合いはとても複雑になります。相続登記していないということは最初の相続が確定していないことになります。もしこの状態で相続人が死亡すると、最初の相続関係者と死亡した相続人の関係者全員の合意が必要となります。

 

また、最初の相続から時間が経過してしまうと親族の付き合いが遠くなったり、行方不明になる方が出てくることもあります。そうなると話し合いや手続きがますます複雑になるため、相続登記したくてもできないという事態が発生します。

追加で税金が発生する

相続登記を放置しておくと、次に相続した人が相続税を上乗せして支払うケースが考えられます。本来は最初の相続で相続税を支払うべきで、次に相続した人は予想外の相続税負担が求められます。

相続登記は自分でも出来る?専門家にまかせる?

相続登記はそれぞれのケースで必要書類や手続きの難しさが異なります。自分で登記すれば費用は安く済みますが、手続きにはかなりの手間がかかる場合もあります。相続登記を自分で出来るか、それとも専門家にまかせるべきかについて解説します。

相続登記を自分で出来やすいケース

相続の関係者が少なく、必要書類が手に入れやすい場合は自分で申請することも可能です。法務局には登記手続きの相談窓口があり、やり方について教えてもらえます。
費用は登記名義変更にかかる税金として固定資産額の0.4%、その他実費で数千円程度です。

 

ただし、相談する際は順番待ちになりますし、必要書類を集めたり作成する作業は自分で行うことになります。自分で手続きする際はかなりの手間と時間がかかることを想定しておきましょう。

相続登記を専門家に任せるべきケース

以下のようなケースは、手続きが複雑になる可能性が高いので専門家に任せた方が良いでしょう。

 

・相続関係者が多いもしくは縁遠い場合
・以前の相続で登記変更がされていないなど相続関係が複雑な場合
・亡くなった方の最終住所が遠いなど申請に必要な手続きに時間がかかる場合
・不動産を売却したい時期が近いなど急いで登記完了したい場合

 

相続登記のために必要書類や申請書をしっかりとそろえるのは思った以上に時間がかかります。また、遺産協議など手続きに問題があると、やり直ししなければならない場合もあります。少しでも不安を感じるようであれば、まずは専門家に相談することをお勧めします。

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